犬との暮らし

トイプードル断尾をしていないのは変?尻尾を切るデメリットとは

2015年4月17日

トイプードルの尻尾は生後間もなくに切ります、これを「断尾」といいます。

断尾をしていないトイプードルの尻尾は、個体差はありますが15センチほどに成長することもあります。

※2024年8月1日以降に生まれドッグショーにするプードルは、断尾されているものは出陳することができなくなりました。

トイプードルの断尾は2024年8月1日以降に生まれた犬では認められません。

断尾している場合は
「審査不可(CANNOT BE JUDGED)」と評価されます。

引用:ジャパンケネルクラブ

断尾をしている犬種とトイプードルが尻尾を切る理由

断尾とは、猟犬が狩りの最中に移動するときの怪我を防いだり,牧羊犬が家畜に尻尾ふまれ怪我をしないようにするために、目的を持って行われていました。

断尾をされている犬種は意外と多く

コッカー・スパニエル
ワイマラナー
ボクサー
ドーベルマン
シュナウザー
コーギー
ミニチュア・ピンシャー
ヨークシャーテリア
プードル

このほかにも沢山の犬達が断尾されているのです。

しかし、今では使役犬として生涯を終える犬は大変少ないはずなのに、どうして断尾がされてしまっているのでしょうか?

それは、犬の美容目的とした断尾として残ってしまっているからです。

現在でもトイプードルの尻尾を切る理由は、愛玩犬として可愛らしく見えることが最大の理由でしょう。

近年、ヨーロッパでは動物愛護の面から断尾・断耳を法律で禁止している国も多くなりましたが、日本では今でも当然のように行われているのです。

※最近では尻尾を切らないブリーダーさんも少しずつ増えてきているように感じます。

では、犬が断尾することで失うものはなんでしょうか?

犬が断尾することで起きるデメリットとは

犬にとって、尻尾は非常に大事な役目を持っています。

犬は他の犬と意思疎通をするために尻尾を使います。

もちろん人に自分の感情を教えるためにも尻尾で表現をします。

また、犬社会では、尻尾での感情表現ができにくいと、上手く相手の犬に意思を伝えることができません。

自分より強い犬に出会った時に尻尾を後ろ足の間に巻き込み、自分に攻撃する意思がないことを伝えるため尻尾は大切な役割があるのです。

犬の感情を表す尻尾には、他にも大切な役目があります。

  • 体のバランスを取り、運動時や水泳時の舵の役目を果たします。
  • 寒い冬には、体を丸くして眠り尻尾で鼻先を保護し、呼吸器を守ります。

犬にとっては尻尾は大事な役目を沢山持っています

子犬は尻尾は切られても痛みがないのは本当か?

今から20年以上前、我が家で次々と産まれた子犬達は、全員断尾をしています。

トイプードルの尻尾を切るのはあたりまえの事だと信じて、動物病院で断尾をしていただきましたが、何度切断手術を見ても慣れるものではありません

トイプードルの断尾は生後1週間以内4~5日の間に行われます。

この時に行われる手術には麻酔は使われません。

麻酔も使わず、体の一部を切り取る手術が行われるのは生後間もない子犬です。

痛みを感じる知覚が発達していないため痛みを感じにくいと考えられれているからです。

では、本当に生後1週間未満の犬には、痛みを感じる神経が発達していないのでしょうか?

私も子犬たちを動物病院で断尾させてきました。

我が家で産まれた11匹の子犬たちが、尻尾を切られるたびに、鳴き声を上げる姿を見ていると、子犬だって痛みを感じるのではと思うのです。

生後間もない犬には痛みを感じることがほとんどないといった定説の中、最近の研究では生後間もない時期にでも痛みを感じる事が分かってきているそうです。

トイプードルの尻尾の長さはどのくらいなのか

痛みがないと信じ、断尾をお願いしてきた私ですが、もう一つ、気になることもありました。

それは、断尾したトイプードル達の尻尾の長さについてです。

通常、トイプードルは、尾を下にまげて、2分の1を残すのですが、どうも尻尾の長さにも流行があるようでして、産まれた子犬の飼い主さんになる方から、

「尻尾は短めに切ってください」

と、ご連絡をいただいたことがあります。

動物病院で断尾手術の際、獣医さんに伝えると、トイプードルの尻尾を短く断尾するのが、この数年、希望される方が多いと言われました。

ちょうど、そのころに流行った、テディベア・カットを楽しみたい飼い主さんからの、要望が多かったことが背景にあったのではないでしょうか。

最近では、大きなボンボン尻尾が流行っているせいか、少し長めに残されたトイプードルも見かけます。

トイプードルの断尾の風習がなかなかなくならないのは、見た目的な問題が大きく関わっているからなのでしょう。

トイプードルの断尾がなくならないのはどうして?

動物福祉の観点から、断尾はやめようといった考えが徐々に広がってきていますが、ペットショップにいるトイプードルを見ていると、まだまだ普通に断尾はされています。

どうして断尾がなくならないのかを考えると、

  • 断尾されている姿があたりまえ
  • 尻尾が長いままの姿が可愛くない
  • 尻尾は生まれつき短いと思っている

トイプードルを家族に迎える側が思っていることが大きな理由なように感じます。

ごくたまにですが、プードルの尻尾は生まれつき短いと思っている方もいらっしゃり、愛犬の尻尾が長い事で「ミックス犬」なの?と心配されている方もいます。

尻尾が長いトイプードルって変!とか、雑種に間違えられてしまってショックだったなどと言われた家族もいましたので、産まれたままの姿かたちのトイプードルが増えるのは、かなり難しいかもしれません。

成犬になってから断尾はできるの?

断尾をしていない成犬のトイプードル、やっぱり気になってしまって断尾をしたい

尻尾が長いトイプードルはかわいいけど、犬が尻尾を噛んでしまうので尻尾を短くした

など、飼い主側の理由から成犬になったトイプードルに「断尾をしたいけど今からでは無理でしょうか?」といった質問をされることがあります。

私としてはこの質問については、動物病院でご相談くださいとしか答えることができません。

ただ、成犬になり尻尾を切るためには全身麻酔が必要ですし、なによりも犬への体の負担や術後の痛みを考えると、成犬になってからの断尾には簡単にはおすすめはできないのです。

まとめ

断尾されるときに鳴く子犬と、手術で切られた尻尾の先を必死で舐める母犬何度も見てしまった私

トイプードルのお洒落なカットを楽しむより、自然な形の尻尾を楽しみたいと思うのです。

尻尾ぶんぶんふる、尻尾がたれる、犬の感情によって大きく動く尻尾はとっても可愛らしいものです。

この先、自然の姿のままのトイプードルが増えてくれる日が来てくれるといいな~と思っています。

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