老犬との生活

ペットロスになった人が別れの悲しみを克服するための方法

雲と白い犬

今月、17年間一緒に暮らした犬とお別れをしました。

小さなトイプーは、家族が全員集まるお正月に立つことができなくなり、最後はしっかりと私の顔を見つめながら虹の橋を渡っていきました。

大切な家族を失った悲しみで、家事も仕事も手につかなくなる・・・そう思っていましたが、数日もすれば何も変わらない日常を送っています。

一昨年、15歳だった犬が死んでしまった後のような、ぽっかりとした心の寂しさはありません。

今回私は、愛犬とちゃんと最後のお別れができたようです。

あなたは、愛犬が逝ってしまった後、心がぽっかりと穴があいていませんか?

ペットロスになりやすい人の特徴

顎を上げて眠る老犬

週刊東洋経済 2016年9/10号 [雑誌](みんなペットに悩んでる)の記事のなかで、ヤマザキ学園大学動物看護学部の新島典子准教授が深刻なペットロスに陥りやすい人について書いています。

  1. 承認欲求が満たされにくい飼い主:つらい気持ちを理解されないとさらに苦しむ
  2. ペットとの接触時間が長い飼い主:打ち込める物事や対象がほかにない
  3. 過去に辛い「喪失」を体験した飼い主:過去の経験がフラッシュバックし不安が増してしまう
  4. 現在1匹しか飼育していない飼い主:過度な愛着となる原因

あなたが今、ペットロスになっているなら、このどれかに当てはまりますか?

老犬介護が終わってほっとした後にやってくる喪失感

私が一昨年心にぽっかりと穴が開いてしまったのは、②のペットとの接触時間が長い、これが理由だと思います。

ほぼ一日中、介護に追われ、買物に出かける1~2時間だけが老犬から解放される時間でした。

最近では犬も長寿になったことで、人間の世話を受けながら生きていく期間が長くなっています。

「大切な家族だから」と必死に世話をすればするほど、逝ってしまった後にぽかんと穴があく・・・そんな気がするのです。

我が家のように多頭飼いの家族でも、軽くペットロスになってしまうのですから、一匹だけ愛情をたっぷり注いでいた家族なら悲しみはさらに深いでしょう。

不慮の事故、突然の病死もペットロス症候群の原因

ペットロスに悩んでいる方の中には、散歩中にリードが離れてしまい事故死してしまったワンちゃんの飼い主さん、ある日突然病死してしまった飼い主さんがいました。

長い闘病生活、老犬介護であれば、いつか来る犬との別れを考えながら愛犬との生活を送ることができます。

でも、突然目の前から愛犬がいなくなってしまった飼い主さんにとっては、「どうして、どうして・・・」「私さえしっかりしていれば・・・」と自分を責めることになります。

また、長期の治療、治る見込みのない病気のため、愛犬を安楽死させなければいけなかった飼い主さんの中にも、自分を責め続ける人もいます。

愛犬との別れの後、こんな症状に悩んでいませんか?

徘徊後に眠る老犬

私はペットロスを経験したことはないわ!

そんな飼い主さんは多いものですが、愛犬を亡くした後に誰でも少しは心にぽっかりと穴があいたこことでしょう。

その症状が大きくなってしまうか、喪失感が長く続くかが違うだけだと私は思います。

あなたは愛犬が逝ってしまった後、次のような症状に悩まされていませんか?

  • 突然、悲しくなり涙が止まらなくなる
  • 体の疲労感や虚脱感
  • 何もする気が起きない
  • 孤独感や不安感
  • めまい・吐き気・頭痛・胃腸障害などの体調不良
  • 食欲不振、食べすぎるなどの摂食障害
  • 眠れない
  • 亡くなったペットの声が聞こえる、姿が見えたなどの幻覚や幻聴

私は2か月ほど、何を食べても味がしない、新しいことに興味がわかない、人に会うのが苦痛になる

そして、とにかく疲れがとれない日々をおくりました。

ただ、人は少しずつでも現実を受け入れ、悲しみを乗り越えて前を向けるようになります。

でも、なかには愛犬に対する愛情が強すぎて、悲しみを乗り越えることができず、ペットロス症候群から「うつ」になってしまう飼い主さんもいます。

もしも、あなたの悲しみが深すぎて悩んでいるのなら、ペットロスを経験した方に話を聞いてもらったり、セミナーに参加するなどしてみてはいかがでしょうか。

>>>日本ペットロス協会

愛犬との別れを乗り越えるための方法

犬が死んで落ち込んでいると、最初は「可哀想に・・・」「辛かったね・・・」と優しい言葉をかけてもらえます。

でも、いつまでたってもペットの死から立ち直れないままだと「たかがペットの死ぐらいで」とか「新しいペットを迎えれば元気になるわよ」

こんなふうに言われてしまい「誰も私の悲しみを理解してくれない・・・」とさらに心が落ち込んでしまうものです。

他人からすれば「たかがペット」です。

でも、愛犬を亡くした飼い主にとっては「かけがえのない家族」です。

これは経験した人間でしかわからない悲しみです。

だから、亡くしてしまった悲しみは我慢せず思いっきり泣いてください。

他人に理解されないかもしれません。

そんな時には同じ悲しみを経験した人と話してみてください。

愛犬の思い出話をおもいっきりしてあげてください。

そして、自分を責めないでください。

犬はどんな別れ方をしても、家族だった「あなた」の笑顔が大好きだったはずです。

悲しみが深くって笑顔になることは難しいかもしれません。

でも、大切な家族を思い出しては泣き、思い出を話すうちに、楽しかった時がどんどんと心に広がってくるはずです。

そうなるまで時間がかかるかもしれません。

でも必ず時が解決してくれます。

そして、あなたがあの世に行くときに、楽しい話を愛犬に聞かせてあげられるようにしてください。

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