最近なにかと耳にする介護離職
親など身近な方の介護のため、どうしても仕事を続けられなくなってしまう方は年々増加をするばかりで、10万人以上にもなるそうです。
介護のため離職される方は50代が多く、いったん仕事を辞めてしまうとなかなか再就職は難しく、経済面・精神面でかなり厳しい状況に立たされてしまうようです。
さて、最近では家族として一緒に暮らす犬の世話のために仕事を辞めるか、続けるか、それとも長期の休暇をとるかで悩まれる方も増えています。
近年、犬の平均寿命が伸びてきたことで起きている高齢犬の介護問題
この問題は今現在老犬と暮らす方々の問題でもありますが、今から新しい家族を迎えようとしている方にも知っておいてもらいたい問題でもあるのです。
高齢犬との暮らしは子犬のしつけよりも大変です
現在17歳~7歳までの5匹の犬と暮らす我が家は、老犬の介護の真っ最中です。
昨年15歳で逝ってしまったミックス犬の介護から始まった高齢犬の世話は、かれこれ2年が過ぎようとしています。
子犬のしつけ問題に悩む飼い主さんは多いのですが、実際に長く犬と暮らしていると老犬になってからのほうが悩みは深くなるばかりです。
- 徘徊
- 夜鳴き
- 排泄の失敗
- 性格が変わる
- 寝たきり
- 痴ほう
このように、人間の介護問題で悩むことのほとんどが老犬との暮らしの中でも起きてきます。
老犬の介護は自由に過ごせる時間を奪われるものだと知っておく
- 夜中に遠吠えをする
- 昼間家族の気配がなくなると吠えっぱなしになる
- 排泄の間隔が短くなる
我が家ではこれらの問題をどうにかするために、家族が老犬から目を離すことができる時間は3時間が限界でした。
老犬がぐったりと眠ったのを見て、慌てて買い物に出かける、うたた寝をする生活が続きます。
ぐっすり眠っているからとちょっと息抜きをして帰宅すれば、排泄物でどろどろに汚れた老犬がケージの中で暴れていたこともありました。
水を飲んでいる最中にうたたねをしてしまった老犬が、水入れの中に鼻を突っ込んだまま眠っていたのを発見した日もありました。
飼い主がそばにいないと寂しがって鳴く老犬のために一緒にリビングで眠り、時には体を痛がる老犬の体位交換やマッサージで一睡もできない日もありました。
体が弱り痴ほうが始まっていた老犬は私に執着をするようになり、誰かが代わりに世話をすることができなくなってしまっていたため、介護を休むことはできなくなっていたのです。
そして今も2匹の老犬たちを長時間おいたまま出かけることはできず、誰かが必ず家で犬の世話をするか1~2時間で帰宅するしかありません。
犬のために会社を休む・仕事を辞める人もいるのです。
私がいなければ、ほかの家族がとりあえず老犬の世話をすることはできます。
でも、昨年逝った老犬は下半身の力が入らない状態でも必死に鳴きながら私を探しまわるため、どうしても家を長時間を開けることはできなくなっていきました。
ありがたいことに、このころには自宅で仕事をすることができるようになり、犬の世話をしながら細切れながらも睡眠をとることもできるようになりました。
こんな私の老犬介護の話を聞くお客様の中には、犬の介護のために仕事を辞めるかどうか迷っている方もいらっしゃいました。
老犬の看取りのために仕事を辞められた方もいました。
残業が多い職場にお勤めの方は、動物病院の一時預かりを利用するものの、預けている間になにかがあったらかと心配で仕方がないと話される方もいました。
そして、有休をすべて犬と一緒に過ごす時間のために使っていた方もいました。
でも、ペットの介護のために有休をとりますとはなかなか言いづらかったそうで、ほかになにかと理由をつけて有休休暇を老犬のために使っていたようです。
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老犬の介護のための施設やペット介護士の利用も簡単ではない
犬の介護も個体差があり、家族に手をかけさせることもなく穏やかに逝ける犬もいれば、数年間、家族の手厚い介護を必要とする犬もいます。
介護する期間が長くなればなるほど、家族の経済的・精神的・体力的負担が増えるのは間違いありません。
最近では犬のための介護施設やペット介護士による訪問介護などを利用されている方もいるそうですが、住んでいる場所によっては利用できる施設がない場合が多いものです。
また、ペット介護士やペットシッターに頼もうとしても、我が家の老犬のように飼い主に執着を始めてしまった場合、見知らぬ人に対して警戒し噛みつく恐れもあるため、なかなか簡単には頼めません。
そして、一番の問題はお金がかかるということです。
犬も長寿になったことで、愛犬と一緒に暮らせる時間は長くなりましたが、老犬になってからの問題を抱え込んでしまう家族も多くなりました。
大切な家族だからこそ最後まで世話をしたいと誰もが考えるものですが、現実として仕事を辞めたり、犬のために長期間の休みを取るのは難しいものです。
将来の介護のために働き方を考えておく、貯金をしておくなど、犬と暮らすうえで大切なことになっていることは間違いないようです。
犬の介護のために仕事を休むことがなかなかできないのであれば、自分で生き方を変えていくしか