夏がやってくると心配になるのが老犬の暑さ対策です。
季節の変わり目にはなると、どうしても体力低下を起こしやすくなる老犬
特に日本のジメジメした高温多湿の夏は体力を奪うため、突然グタッとなることもあり要注意なんです。
それなら老犬のために犬が快適に暮らせる温度設定で、エアコンをつけっぱなししておけば心配はないのでしょうか?
気温が高い日もクッションの上で丸まって眠る老犬達
6月になって、日中の気温が30度を超える日がありました。
我が家の5匹のトイプードル達の中で、11歳の風花・6歳の空は気温がグングンと上がりだすと、少しでも涼しい場所を求めては、あっちの床でゴロリ、こっちの床でゴロリと移動し始めます。
心地よい風が通り抜ける、少しでも冷たい床を探して歩きまわる2匹と対照的なのが、16歳のミルク・15歳の花・14歳の小雪、高齢犬の3匹です。
気温が高くなろうが、気分が悪くなるほど湿度が高くなろうが、この3匹はお気に入りのクッションの上で丸まって眠りつづけます。
母ちゃんが汗だくになって、ワンコ達を抱っこしたくないような日でも、膝の上や腕の中に体をピッタリとくっつけて眠るのです。
クッションで丸まったり、家族の腕の中で気持ちよさそうに眠る老犬3匹を見ていると、ちょっと心配になってくることがあります。
犬のバンディングは体力を必要とする
人間は暑さに対し、汗をかくことで体温調整をします。
犬は足の裏側や鼻の頭付近などの一部にしか汗腺がなく、舌をハァハァさせる「パンティング」と呼ばれる呼吸法によって、呼吸器表面の水分を効率的に蒸発させ体温調整をします。
しかし、「パンティング」で体温調整をするためには肋間筋などの筋肉の収縮が必要で、筋肉を収縮させれば、体温も上昇し、体力も消耗してしまうのです。
人間ならじっとしていても全身で汗をかき体温を調整できますが、犬は体の筋肉を使って体温を下げなければいけないため、暑さに非常に弱い生き物といえるのです。
高齢犬になると体温調整機能が低下してくるの?
毎年、5月の半ばを過ぎ、夏日が始まる頃になると、我が家の犬達はガバガバと水を飲み始め、少しでも涼しい場所に移動し始めていました。
夕方の散歩を楽しんだ後には、全員がハァハァと舌をだし、体にこもった熱を放出していたのです。
ところが、今年になって老犬達はどんなに暑い日でも、それはそれは涼しそうな顔をしています。
風花と空がガバガバと水を飲んでいる横で、チョロッと舌を湿らせる程度で水を飲むのを止めてしまいます。
蒸し暑い日にエアコンのスイッチを入れると、風花と空は気持ちよさそうに眠りだすのに、老犬3匹はクッションやタオルケットの上で丸くなって眠りだのです。
高齢者が、暑さ・寒さに対し感覚が鈍くなるのと同じなのか?
人間は高齢になると暑さや寒さに対し、体の反応が鈍くなってきます。
夏、気温が高くなってきても体が暑さを感じにくくなっているため、室内でじっとしていても熱中症にかかりやすくなります。
実際、我が家の母も70歳を過ぎたころから、家族が暑い暑いといっても、「たいして暑くない」だの「クーラーはいらない」なんて言う回数が増えだしました。
外気温が35度を超える酷暑日にも、暑さを感じず、室内で熱中症になったこともあります。
今のミルク・花・小雪の3匹をみていると、70歳過ぎた母と同じように暑さに鈍感になっているような感じるのです。
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暑がらなくても気温の変化に合わせ調整するしかない
体温調整のための「パンティング」もしない
水を飲む量も少ない
こんな老犬達の行動を見ていると、別に体温が上昇しないための工夫をしなくてもいいように感じますが、人間の高齢者と同じように暑さに鈍感になっているため注意が必要です。
湿度・温度を犬の体が快適と思える温度に設定する事も対策として大切ですが、水をなかなか飲まない老犬に水分を摂らせる工夫もしましょう。
- 入れっぱなしのぬるくなった水を飲ませない
- ヤギミルクやお肉の茹で汁を与える
- 水分の多い果物や野菜をおやつにあげる
- ドライフードと一緒に水分をあげる
- 手作りゴハンをプラスする
などの、水分を意識して摂らせてください。
※我が家の老犬達は、真夏になるとスイカを喜んで食べています。
糖分の摂りすぎにも注意が必要になってきますが、食欲が落ちて水分を摂りたがらない老犬も喜んで食べるので、真夏の定番おやつになっています。
老犬は冷えすぎにも注意が必要です。
人よりも体温が高く、毛皮を身にまとっている犬にとって、ベストな室温は23~24度
これだけ冷やしてしまうと一緒に暮らす家族にとっては体に優しくありません。
人が快適に過ごせる温度設定は26度~28度ですから、犬にとっては少々高めの温度になるのですが、湿度を50%程度にしておけば、犬も問題ないはずです。
というのも、冷気は下に溜まるため、人間よりも低い場所で寛ぐ犬は、人間が感じているよりも涼しい場所にいることになるのです。
扇風機を使って室内の空気を循環させることも大切です。
老犬は暑いのも寒いのも体に負担がかかるものです。
犬のために室温を25度まで下げてしまうと、お腹を壊してしまったり、夏バテのような症状になってしまうこともあります。
人が快適に過ごせる室温にしておいて、冷却マットやクールウェアなどで暑さ対策をしたほうが、老犬の身体には負担がないようですね。