さて、前回の記事はトイプードルにとって、断尾が見た目を重視したものであり、犬としての大事な役目をする尻尾がなくなることの、デメリットを書いてみました。
今から10年以上前に。母ちゃんの家で次々と産まれた子犬達は、全員、断尾をしています。
トイプードルの尻尾を切るのはあたりまえの事だと信じて、動物病院で断尾をしていただきましたが、何度切断手術を見ても慣れるものではありません
子犬の尻尾は切られても痛みがないのは本当か?
トイプードルの断尾は生後1週間以内4~5日の間に行われます。
この時に行われる手術には麻酔は使われません。
麻酔も使わず、体の一部を切り取る手術が行われるのは、生後間もない子犬です。
痛みを感じる知覚が発達していないため痛みを感じにくいと考えられれているからです。
では、本当に生後1週間未満の犬には、痛みを感じる神経が発達していないのでしょうか?
私も子犬たちを動物病院で断尾させてきました。
我が家で産まれた11匹の子犬たちが、尻尾を切られるたびに、鳴き声を上げる姿を見ていると、子犬だって痛みを感じるのではと思うのです。
生後間もない犬には痛みを感じることがほとんどないといった定説の中、最近の研究では生後間もない時期にでも痛みを感じる事が分かってきているそうです。
トイプードルの尻尾の長さはどのくらいなのか
痛みがないと信じ、断尾をお願いしてきた私ですが、もう一つ、気になることもありました。
それは、断尾したトイプードル達の、尻尾の長さについてです。
通常、トイプードルは、尾を下にまげて、2分の1を残すのですが、どうも尻尾の長さにも流行があるようでして、産まれた子犬の飼い主さんになる方から、
「尻尾は短めに切ってください」
と、ご連絡をいただいたことがあります。
動物病院で断尾手術の際、獣医さんに伝えると、トイプードルの尻尾を短く断尾するのが、この数年、希望される方が多いと言われました。
ちょうど、そのころに流行った、テディベア・カットを楽しみたい飼い主さんからの、要望が多かったことが背景にあったのではないでしょうか。
最近では、大きなボンボン尻尾が流行っているせいか、少し長めに残されたトイプードルも見かけます。
トイプードルの断尾の風習がなかなかなくならないのは、見た目的な問題が大きく関わっているからなのでしょう。
ナチュラルなままのトイプードルは増えていくのか?
現在5匹のトイプードルと暮らす我が家は、トイプードル達は全員が断尾されています。
尻尾の長さも1/2~1/3と様々です。
時々、断尾をしていないであろう成犬のトイプードルに、断尾をしたいけど、どうなんでしょうかと、ご質問をいただくことがあります。
ナチュラルなままの尻尾はとても可愛らしく、「可愛らしい尻尾が残っているのですから、そのままでいいのでは?」と話すと、
トイプードルらしくないし、尻尾が可愛らしくカットできないから、今からでもどうにかしたいと言われる方もいます。
そもそも、断尾をしていないトイプードルを家族に迎えたのですから、そのままでもいいはずでしょう。
しかし、トイプードルの飼い主になった方の中にも、トイプードルの尻尾は、自然に短くなるとか、産まれたときから短いと信じていることもあるのです。
中には、自然な尻尾を持ったトイプードルの飼い主に対し、尻尾を切らないなんて、変よね!などと言われる人もいるそうですから、産まれたままの姿かたちのトイプードルが増えるのは、かなり難しいかもしれません。
自然な姿のトイプードルと暮らしてみたい
痛みで鳴く子犬と、手術で切られた尻尾の先を必死で舐める母犬何度も見てしまった母ちゃん
トイプードルのお洒落なカットを楽しむより自然な形の尻尾を楽しみたいと思うのです。
もしも、新しい家族を迎えるときには、断尾をしないブリーダーさんから、迎えたいと思っています