犬も人間と同じようにお酒が好きな犬・嫌いな犬がいます。
お酒の匂いが苦手な犬の場合は誤飲などあまり心配する必要がありませんが、問題はお酒の匂いに惹かれて尻尾をぶんぶんふる犬たちです。
沢山の犬と暮らしてきた我が家ですが、過去に4匹ほどお酒が大好きな犬がいまして、飼い主が目を離している隙に日本酒を飲んでしまったことがありました。
ふらふらになってしまった犬ですが、運よく中毒症状などなかったからよかったものの本当に怖い経験をしました。
犬にとってお酒がダメとは聞いているけど、ちょっとくらいなら飲ませても大丈夫じゃないの?って考えている方もいらっしゃいますので、怖い経験をした私が危険性を調べてみました。
犬にお酒を飲ませるのが危険な理由
犬は人間と違って、お酒を分解する酵素を持っていないため、摂取してしまうと長時間体内に残ってしまいます。
さらに、分解されなかったアルコールは急速に吸収されてしまい危険な状態になる恐れがあります。


分解されず急速に吸収されてしまうアルコールの成分は、犬の体内で長く残るため様々な臓器に悪影響を及ぼします。
アルコール中毒になる事もあり、嘔吐とふらつきなどの症状に呼吸や心拍が遅くなり、最悪の場合、呼吸回数の低下によって死に至ることもあるため注意が必要です。
犬がお酒を飲んだ時にみられる症状
- 呼びかけに反応しない
- ぼんやりしている
- 足元がふらふらしている
- ぐったりしている
- 食欲がない
- 嘔吐する
- 呼吸が浅く・速くなる
症状が出はじめるのは、個体差にもよりますがアルコール摂取後30~1時間くらいです。
少量舐めたぐらいでは犬の体調が変わることがないかもしれませんが、症状がでるかどうかしっかりと観察する必要があります。
呼びかけにも反応しない、朦朧としている、呼吸が弱くなっている場合には緊急を要するので、できるだけ早く動物病院で治療を受けてください。
犬にとって危険なアルコールの量
犬のアルコールの致死量は5.5~6.5ml/㎏といわれており、体重が軽い小さな犬ほど少量のアルコールでも危険になります。
- アルコール度数5%(ビール)体重1kgあたり約110ml
- アルコール度数10%(ワイン)体重1kgあたり約50ml
- アルコール度数15%(ワイン・日本酒)体重1kgあたり約37ml
- アルコール度数40%(ウィスキー)体重1kgあたり約14ml


ときどき「うちの犬ってお酒を飲んでも酔っぱらわないの」なんて話される方もいますが、先ほど書きましたように犬はアルコールを分解することができません。
お酒を飲んだ後にみられる症状が顕著に出ていなくても、長い時間体に負担をかけていますので、犬にお酒を舐めさせるのはやめておきましょう。
犬が誤ってお酒を舐めてしまったときの対処方法
犬が誤ってお酒を飲んでしまったとき、慌てて自宅で吐かせるようなことはしないでください。
まずは落ち着いて動物病院へ電話をし、下記のことを獣医師に伝えましょう。
- アルコールを飲んでしまった時間
- アルコールの種類
- アルコールの度数
- どのくらいの量を飲んだか
- 犬の体調や症状
これらを伝えてから、獣医師に診てもらいましょう。
犬にアルコールはダメまとめ
犬が誤ってお酒を飲んでしまうだけではなく、生活の中で身近にあるアルコール入りのお菓子や除菌シートなども、犬にとっては危険な存在です。
犬が誤って口にすることがないよう、人の目が届かない場所に飲みかけの瓶や缶、グラスなどを置きっぱなしにしない
犬の体や口回りなど拭くときには、ノンアルコールタイプのものを使う
犬がお酒の匂いが好きでも、絶対に与えないなど十分な注意が必要です。