15年一緒に暮らした愛犬を亡くし、時間に追われた介護がなくなったためでしょうか?
この数日なにもする気が起きず、ほとんど一日中眠ってばかりでした。
こんな状態をペットロスと世間では言うそうですね。
食べられない、眠れないなど症状が酷い方もいるそうですが、私は少しずつ起きていられる時間が増えてきました。
それに我が家には、面倒を見てあげないといけない老犬が他にもいます。
先に行ってしまった犬だけを思っていられない、この家庭状況が深く落ち込んでいられないのでしょう。
思ったより早く愛犬の死から立ち直れた私ですが、愛犬を集団火葬したことを今でも少し後悔しています。
愛犬を斎場に連れて行き最後の別れをしました
犬が10才過ぎたころから目につくようになった動物霊園の看板
家族として一緒に暮らした愛犬が亡くなると、動物供養をされるお寺での葬儀もあります。
私も犬が10才を過ぎたころには必ず来るその日には、ちゃんとお経をあげてもらい遺骨は大切にお寺で供養してもらおう
そう決めていました。
ですが、老犬が眠るように逝ってしまった後、葬儀もせず、最後のお別れも短く、市の斎場に火葬をお願いしてしまいました。
私にとっては初めての犬の火葬。
火葬をお願いする斎場で受付を済ませ、動物焼却使用料として¥2160を支払いました。
この受付で、犬の登録を削除する手続きも済ませ、その後、係りの方が受付前の台車に乗せられた愛犬の箱を開け、斎場の方が「こちらで最後のお別れをしてください」と言われました。
市の集団火葬でお願いすると、家族だった犬との最後はあっけないものです。
何度も顔と頭を撫で「お願いします」と言って車に乗ったものの、あの世に旅立つ犬が可哀そうになり暫く考え込んでしまいました。
そんな私の迷いが分かったのでしょうか?
「自分の葬式も墓もいらないと決めてるのに、犬の葬儀をして骨を残してどうするの?」
母が助手席で目を赤くしながら私に言いました。
ペットの葬儀
私が子供の頃一緒に暮らしていた犬達は亡くなると土葬にしていました。
40年近く前の田舎の家では当たり前だったのです。
ですが住宅事情が変わり、土葬できるだけの場所や隣近所の問題も出てくると、ペットが亡くなると火葬へと変わってきました。
そして火葬の方法も公共機関や、民間のペット火葬業者と飼い主が選べるようになってきました。
公共機関での火葬の多くは集団火葬ですが、お住まいの市区町村によっては、集団火葬と個別火葬を選べるところもあるようです。
民間のペット葬儀者では4つほどに分類されます。
●合同葬
他のペットと共に読経等の合同葬儀をし、その後火葬してもらう葬儀。火葬の立会い、お骨上げはできず遺骨はそのまま共同墓地や合同供養塔に納骨・埋葬されます。
●一任個別葬
読経等の葬儀の後、個別に一体ずつ火葬してもらう葬儀。全ての業務を葬儀社に一任する形のため、火葬の立会い、及びお骨上げはできません。遺骨は納骨・埋葬、返骨もできます。
●立会い個別葬
読経等の葬儀の後、個別に一体ずつ火葬してもらう葬儀。葬儀社に一任する形ではなく、飼い主が立ち会える。
希望する場合はお骨上げもでき、遺骨は納骨・埋葬、返骨もできます。
●自宅葬
葬儀業者が自宅まで出向き、全ての業務を執り行う葬儀。人間と同じように「葬式」でペットを見送ることができる。
読経等の葬儀の後、移動火葬炉で火葬を行い、お骨上げもできます。
あなたは大切なペットが亡くなったら葬儀をしますか?
葬儀の方法が増えたことで、家族として暮らした犬が亡くなると、葬式をして、納骨をして、お墓はどうするの?と聞かれることが増えました。
私みたいに市の斎場で短くお別れをし、見知らぬペットたちと一緒に火葬されるのは淋しい事だという人もいます。
確かに、葬儀をしてあげることは大切なペットの供養になるでしょう。
でも、葬儀をしてあげることはペットのためなんでしょうか?
本当は大切な家族を失った喪失感と向き合うために、飼い主側に必要な事なのではないのでしょうか?
葬儀をする、しないは家族としての考え方の違いでしょう。
自分の葬儀も無くてもいいと考える私が愛犬の死に向き合った時、かなり動揺したのですから葬儀もせず死を受けいるというのは、なかなか難しいことかもしれません。
いつかまた会える日が来るまで
斎場に一匹で置いてきてしまったことで、あの世に旅立つ犬が淋しがるんじゃないだろうかと考えると、今でも涙がでそうになります。
でも、穏やかに逝ったあの顔を思い出すと、あの世できっと私が来る日を尻尾を振って待っていてくれると思っています。