この数年、放置されていたブログ
多頭飼いだった我が家ですが、今はすっかり老犬になった黒ぷーだけをべたべたにかわいがる毎日です。
沢山の犬に囲まれて生活は、大変だったこともありましたが、それ以上に楽しいことも沢山
でも、そんな楽しい今の生活は、飼い主とその家族の病気で不安だらけの毎日を乗り越えたからこそあるのです。
入院・手術、飼い主が病気と闘うとき、愛犬の世話はどうする?
6匹いた犬が次々と虹の橋を渡り、最後の黒ぷーだけになった頃、母ちゃんは癌と闘うことになりました。
同居していた80代の母も病気のため入退院を繰り返していた大変な頃です。
癌の告知、検査、入院と手術日の決定、仕事の引継ぎなどバタバタしていましたが、このころはまだ娘と息子が同居していたので、犬のことは子供たちにおまかせ。
手術が無事終わり退院して数週間後、娘が結婚して家を出ていきましたが、簡単な家事や買い物に犬の世話など日常生活に困ることはありませんでした。
飼い主の抗がん剤治療とさらに家族の入院
術後1か月から抗がん剤治療がはじまり、副作用で自分自身のこともうまくできなくなってしまいました。
とはいっても、息子が家事をかなり手伝ってくれたおかげで、自分の体を休めることに集中できました。
辛い抗がん剤も家族の助けで乗り越えられると思っていたある日のこと、息子が脳卒中で倒れ緊急入院
抗がん剤治療を受けながら、集中治療室に通う日々が始まります。
3度の手術となってしまった息子と、抗がん剤治療が始まった母を心配し、娘がしばらくの間は手伝いに来てくれていたのですが、娘には娘の生活があります。
どううしてもの時はSOSするからと帰宅してもらったのですが、想像していたよりも一人と一匹の生活が大変でした。
まず、抗がん剤の副作用で犬のケージを開けるたびに手が痛み、食器を洗うのも痛みとの闘い
ドアノブを触るのも、洗濯をするのも痛みとの闘い
冬の朝、冷たくなった黒ぷーの毛を撫でると痛む手
自分の食事もまともに作れないうえに、ドッグフードの保存容器を開けるのも一苦労でしたが、痛みは数週間後には和らぐのでどうにかこうにかなっていきます。
問題は黒ぷーがかなり情緒不安定になってしまったことです。
私の体力がどんどんとなくなり、手術前のように動けない
息子の病状が変わるたび病院にいってしまうため、長い時間ケージでのお留守番が増えた
今までなら誰かが家の中にいて声をかけてくれるのに、真っ暗になっても誰も帰ってこない誰の声もしない
こんなことが2か月のあいだに何度も繰り返されてしまったのですから、後追いがひどくなってしまい、「ハウス」と声をかけても入らなくなってしまったのです。
飼い主も愛犬も不安・お互いの温もりだけが救い
とうとう私がいる夜もハウスは拒否、私の腕枕がないと眠らなくなってしまいました。
布団から手を出しているとびりびりと痺れてしまう私にとって、犬が布団の中に埋れてしまうのを避けるように腕枕をするのは超つらい・・・
でも、息子のこれからのことを考えると恐ろしくなってしまう私にとって、腕の中でスヤスヤ眠る犬の存在はありがたいものでした。
きっと犬も同じだったのでしょう。
私が寝返りを打って背中を向けるとすくっと起きて、急いで向き合えるように眠る場所を変えに来ます。
真夜中、病院から心も体もぐったりとして帰宅しても、すり寄ってくれる犬の体をなで匂いを嗅ぎながら一緒にいると、不思議なことにいつのまにか深く眠ってしまうのです。
犬も朝ゆすっても起きないほどぐっすりと眠っています。
小さな体でも私にとっては大きな支えでした。
家族のリハビリと犬との暮らし
私の抗がん剤治療最終日、息子が退院しました。
リハビリとして毎朝犬の散歩を一緒に始めました。
老犬になっても飼い主をぐいぐい引っ張る癖が治らなかった黒ぷーでしたが、大好きなお兄ちゃんのゆっくりとした歩きに合わせてくれます。
少しずつ家事ができるようになった息子は、家の中ならどうにか犬の世話ができるようにまりました。
暇があれば犬を膝に乗せ、ゆっくりと体をなで話しかける。
普通なら大したことがない動作も、病後の息子にとっては疲れる動きです。
でも犬は手加減というものをしりません。
撫でるのをやめれば、何度でも撫でろと腕をカリカリとさせ、おやつが欲しければ必死になってフードケースまで呼びます。
犬の期待に応えるため、疲れながらも体を動かす息子
そんな息子の膝の上で安心して眠る黒ぷー
犬と一緒にゆっくりと根気よくリハビリに励み、奇跡的に退院後2か月で仕事に戻ることができた息子にホッとしたころ、黒ぷーの老化が一気に進んだ感じがしました。
そこにいるだけでも体が弱った家族の心を支えてくれた黒ぷー
今度はあなたが安心して生きていけるように、私たちが寄り添って生きていきましょう。