現在16歳のトイプードル花は、失明しても大好きだった散歩は嫌がるようになりましたが、生活に大きな支障はなく暮らしています。
ただ、最近は嗅覚、聴覚とも急激に衰えてきて、食べ物は鼻先までしっかり持って行かないとわからないことが増えました。
若い犬達が食べ物を持っている人間に向かってお座りしていても、あっちにふらふらこっちにふらふらと、行きたい場所が定まらず犬達の間をウロウロすることも増えました。
それでも、家具の配置やトイレシートの設置場所を変えてない環境で、それなりに自分の行きたい先を探して歩き回っています。
匂いで甘えたい相手を探す老犬
若い時から家族に対しても思いっきり甘えることができない性格の花
失明してからはリラックスできる家の中でも警戒心がさらにひどくなり、ぐっすり眠っている横に誰かが座れば、ビクッと顔を上げ歯をむき出しにして唸りだします。
この状態で飼い主の匂いを嗅がせても、嗅覚が衰えてしまった老犬にはパッと確認することが難しいのでしょうか?
「花、花、母ちゃんだよ」と大きな声でゆっくりと声をかけても、なかなかすぐには落ち着けません。
イライラしてしているときには歯をむき出しにしたまま、家族の手や足に噛みつくこともあります。
そんな花ですが、聴力・嗅覚の衰えにも慣れてきたのでしょうか?
最近少しだけイライラすることが少なくなってきました。
一日に数回は唸り声を上げることはしても、噛みつく行動は少なくなってきました。
心が落ち着いてきたおかげなのか、最近では必死になって家族を探し回り、体や口元の匂いを嗅ぎまわりながら、抱っこしてほしい家族を探し回ります。
甘えているのに急に噛みつきだす犬
何か食べたくなればおばあちゃんを必死に探し、甘えたくなったり体をマッサージしてほしくなれば母ちゃんを探す
まあ、誰でもいいから体を撫でてほしくなれば、一番近くに座っている人の膝に這い上がっていく
ず~と甘えることをしなかった花は、今ではすっかり甘えん坊
これはこれでとても可愛いんですが、花の欲求を満たすためにすぐに手を出すのはやっぱり危険です。
「花ちゃん、花ちゃん、抱っこなの~」とか「花ちゃん、いいこするの~」とか、とにかく花の顔を覗き込むようにして、声をかけなければいけません。
この一言を忘れると、いきなりウ~とうなり声をあげ、がぶりと手に食らいついてきます。
甘えてくる犬が可愛い♡と思った次の瞬間、「なにすんだこのやろ~」とイラッ!!としないためには、家族も十分注意をする必要があります。
飼い主の顔の上に座る、顔をひっかく!夜も油断はできません
数か月前から、真夜中に人恋しがるミルクと花と一緒に寝ているのですが、最近、花の問題行動がひどくなってきたため、母ちゃんはうっかり熟睡することができなくなりました。
真夜中のおしっこが済んだ後、30分ほど部屋の中をウロウロと歩き回るようになってしまったのです。
真夜中、ただ歩き回っているならなにも問題はありません。
しかし、飼い主に自分を見てほしい気持ちが強くなってきて、どんどんと甘えん坊になってきた老犬が、なにもしてくれない飼い主に満足できるわけがありません。
飼い主と老犬の真夜中の知恵比べ
名前を呼んでもらえない、体を触ってもらえない状況に腹を立てたのか、知らん顔をして寝てる母ちゃんの顔の上に座るようになってしまったのです。
真夜中、3キロのトイプードルが突然顔の上にどかっと座るのですから、どんなに愛犬に甘い飼い主だってムカッときます。
しかも、座るだけではなく、顔の上で寝ようとするから大変!
あまりにも自由な行動をする花をどかそうと、体を抱き上げると思いっきり歯をむき出しにして怒り出すので、かなり警戒して手を出さないといけません。
2~3回、同じようなことが続けば、母ちゃんだって必死に頭を働かせます。
花がうろうろと歩き出せば、背中を向けて横向きになり、できるだけ丸くなって顔を露出しないよう布団を頭からかぶる
この状態になると、花は母ちゃんの匂いを探しづらくなるのか、母ちゃんの顔の上に乗ることはできなくなりました。
これで、諦めてくれるかと思ったのですが、今度は花が必死に頭を働かせます。
布団の端から端まで鼻をくっつけながら匂いを必死に嗅いで歩き回り、母ちゃんの頭を探し当てるのです。
老犬の必死な行動で飼い主は傷だらけ
ほんの少し開いている布団の隙間から、母ちゃんの頭を探し出した花
次に前足をにゅっと伸ばし入れ、母ちゃんの顔を必死になってひっかきだそうとするのです。
少しでも母ちゃんの気をひきたい花のこの行動のせいで、顔にうっすらとミミズバレができてしまうこともありました。
どんどんエスカレートするこの行動のせいで、先々週、母ちゃんの上唇は内側から外にかけてざっくりと切れ、腫れた唇のせいで食事をするのも大変でした。
気まぐれな老犬の行動に振り回される夜
「ねえ~唇かなり腫れてるけどどうしたの?」と聞かれるほど、ざっくりと切れてしまった口
目が見えない、耳も聞こえにくい、加齢とともに甘えん坊になったのはいいけど、しつこさも増した老犬に、いくら家族が腹を立ててもどうにも解決しません。
マスクをする、頭から毛布をかぶる、落ち着くまでハウスに入れる
いろいろしましたが、母ちゃんに体を撫でてもらうまで唸り声をあげながら歩き回る老犬
そんな花の真夜中の行動パターンはある日ころっと突然変わります。
先週の中ごろから真夜中に一度おしっこを済ませたら、ぱたりと眠るようになりました。
やれやれ、これでやっと顔に傷がつかなくなるとほっとしました。
すると、2日後から今度は母ちゃんの腕の中で眠るミルクを追い出そうとするようになりました。
次から次へと母ちゃんの気をひくために、必死になって動き回る花の頭の回転の速さに、飼い主が必死に付き合うしかありません。
今晩はどんなことをしてくれるのか・・・夜が来るのがちょっと怖い母ちゃんなのです。